【Audible】『東大准教授に教わる「人工知能って、そんなことまでできるんですか?」』感想

AIの世界をぐっと身近に感じられる一冊だと感じました。タイトルだけ見るとやさしい入門書という印象ですが、内容は単なる「AIってすごいですよ」という話にとどまらず、人工知能とは何か、何ができて何がまだ苦手なのかが、順序立ててわかりやすく語られていて、基礎をつかむのにぴったりの本でした。

特に印象に残ったのは、AIがどのように学習し、判断しているのかという仕組みの部分です。普段、ニュースやSNSでAIの話題を目にすることは多いものの、実際にどんな技術が土台にあるのか、なぜここまで進化してきたのかを説明することは私はできませんでした。AIってすごそう、昔からコンピュータが人間にテーブルゲームで勝ったって話とかあるよね……というくらいの知識です。この本は、そうした曖昧な理解を整理し、知識を少しずつつなげてくれる感覚がありました。

著者の松尾豊氏は、日本のAI研究を牽引してきた第一人者として知られており(私はこれまできちんと氏を知らなかったのですが、YouTubeなど見ていても多数出演されていて、AIについて調べ始めると絶対に出くわす方ではないかと思います)、説明も、とても筋道立っています。

Audibleでながら聴きしていたこともあって、細かな部分まで完全に理解しきれたとは言えないかもしれません。ただ、それでも十分に面白く、AIの世界に対して自然と興味が深まりました。むしろ、概要を耳でつかんだからこそ、今度は書籍を手元に置いてじっくり読み返したいと思える内容でした。

だいぶ前に出版された本(2014/10/15)なので、現在の生成AIブームそのものを扱っているわけではありません。状況も変わっていますし。それでも、AIの土台にある歴史を理解するにはとても良い一冊だと思います。今のChatGPTや画像生成AIを見て「どうしてこんなことができるんだろう」と感じる人にとって、その背景を知る入り口としてちょうどいい本でした。

聴いていて純粋にわくわくしました。未来の話だと思っていたAIが、すでに生活や仕事のさまざまな場面に入り込んでいて、これからさらに広がっていくのだろうと想像が膨らみました。AIに興味はあるけれど、何から学べばいいかわからない人におすすめできる書籍でした。古いからといってスキップするにはもったいない本だと思います。