YouTubeなどでよく目にする「伝説のプログラマー」中島聡さんの著書。(Windowsのダブルクリックの概念を作り出した方だとか。すごすぎる。)
Audibleで聴いてみました。
「仕事が終わらない人は能力が低いのではなく、進め方の設計を間違えていることが多い」ということでした。これまで私は、仕事の速さは頭の回転や経験の差で決まるものだと思っていた部分があります。自分の仕事でも、なんなら家事でも、「私って問題解決能力が低いな。。」と思うことは多いです。かしこい人のマネをしたいですが、リモートワーク環境だと意外とほかの人の仕事ぶりを見られないので勉強の機会は減っている気がします。
しかし本書を通して、実際には“最初の動き方”と“時間の使い方の考え方”が、その後の結果を大きく左右するのだと実感しました。
本書で特に印象的だったのは、「ロケットスタート時間術」という考え方です。(実際にはドラゴンボール用語で例えられているのですが何しろAudibleで聴いていると、「カイオウケン」なる用語であるのはわかるのですが、ドラゴンボール未読の私にはどういう漢字表記なのかわからなかったです。調べてみます。)
仕事の最初の段階で一気に集中して大枠をつくり、早い段階で全体像を把握することで、後半に余裕を生み出す。多くの人は締切までの時間を均等に使おうとしがちですが、著者はむしろ最初に全力を出すことの重要性を繰り返し説いています。この考え方はシンプルですが、実践するのは意外と難しいものです。私自身も、「まだ時間がある」と思ってしまい、つい着手を後回しにしてしまうことがあります。本書を聴いて、その原因は能力不足ではなく、単に進め方の癖なのだと気づかされました。著者曰く、夏休みの宿題は、はじめに終わらせて、好きなことをやる時間を作りましょうと。
また、「締切いっぱいまで使うことは、真面目さではなくリスクである」という指摘も非常に刺さりました。仕事には必ず想定外のトラブルや修正が発生します。特にITや事務作業のように、途中で確認や認識合わせが必要な仕事では、後半に余白がないと一気に崩れてしまいます。著者が伝えたいのは、早く終わらせることは単に楽をするためではなく、「余裕を確保して、より良い成果物に仕上げるため」だということ。スピードは手抜きのためのものではなく、品質を守るための武器なのだと感じました。私はつい仕事を断らず(というか段取りを間違えて)後半に慌てるということが起きがちです。。耳が痛い話です。
本書は、単なる仕事術のテクニック本というより、「仕事との向き合い方」そのものを問い直してくれる一冊でもあると感じます。熱いハートがそこここに感じられました。その当たり前だけれど忘れがちな視点を、具体例とともにわかりやすく教えてくれます。
そして、本筋とはあまり関係ないのですが、先ほども書いた通り本書の中でたびたび『ドラゴンボール』の話が出てきたのも印象的でした。私は実は『ドラゴンボール』をちゃんと読んだことがなく、「そんなに例えとして出てくるくらい、多くの人にとって共通言語なんだな」と少し驚きました。著者が当然のように共有している感覚に触れて、逆に「これは一度読んでみないとな……」と思ったのも、ちょっとした収穫でした。こういう、本筋から少し逸れたところで新しい興味が湧くのも、読書の面白さだと思います。
この本を聴いて、すぐに実践したいと思ったことは二つあります。一つは、仕事やタスクを受けたら、最初のうちに全体像をつかみ、まず叩き台を作ること。完璧を目指して手が止まるのではなく、まず形にしてみることで、不明点やリスクを早く洗い出せるはずです。もう一つは、「まだ時間がある」という考えをやめて、「今できることを先に進める」習慣をつけることです。先送りはその場では楽ですが、将来の自分に負担を押しつける行為だと、本書を通して改めて感じました。
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